現状は、約13mある縦長の建物の両サイドには窓が何も無く、天井高も10m程ある作業場だった所のため、通常のリフォームではお施主様の要望を叶えるのに予算が掛かり過ぎる等、計画に非常に時間がかかりました。 今の建物を外と考えて、建物の中にもう一つ建物を建てる。という発想のもとに計画が進みました。『インナーハウス』通常のように雨風に耐えうる必要がないため、思いきって、天井に波トタンを使い、建物の前後の2階の位置からの光を、天井から取り入れることを考えました。ウォークギャラリーを作り、三方を縁側に見立て古建具を再利用しました。。裏庭にもそのまま土足で行くことができるので、次に工事が必要になっても大丈夫です。
染め物見本の反物が大量に発見。反物の長さをそのまま活かしウォークギャラリー側の壁一面に垂らし、先祖の面影を残しました。
都会の真ん中にありながら時代に取り残されたかのような生活をしていたのがウソのように快適なくらしになった事でしょう。
生活の大部分を土間での暮らしでした。外にあったトイレ・浴室も、寝室のすぐ隣に。ミッキーの扉から光がさして、思わず笑みがでます。
時間の流れで、こんなに光の色が変わります。
染め見本の反物、古建具を再利用。透明硝子に取り替えました。やはり経年による本物の歴史は、重みがあります。
もくもくと作業中。
そもそも、大正時代から作業場兼住宅として使われてきた家を壊さずに、でも、今よりも少しだけ快適に過ごしたいという消極的な要望から始まりました。
玄関入ってすぐの和室。先代の京染店の店先はそのまま残し「前の間」として活躍。お帳場机もそのまま。採光を奥の部屋に入れるため吹き抜けに。
以前使われていた籠もディスプレーとして活躍。